2006-05-11から1日間の記事一覧

新しい文学に向けての断章 六 文字の存在

物がそこにあるということから生まれる迫力というのがあって、不意に振り返ると、空間の片隅の暗がりに、かの物が、厳然と動かしがたく、ひとつの形を占めている。目を持たぬ物の呼吸は、また次第に、隔てられているはずの私のからだにも侵食してくる。暗い…