2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

新しい文学に向けての断章五 激情

今日、ほぼすべての激情は、甘い感傷に落ちていく。激しさは抑圧された悲しい顔立ちを背後に宿し、むしろその涙ぐむ顔を見よと叫ぶ。そこにいるのは激しさとおよそかけはなれた小人物である。悲しい小人物であるがゆえに、激情を許せと乞う。そのような激情…

新しい文学に向けての断章四 孤絶

共同体への意志が叫ばれる。それに抗するため連帯が説かれる。一人の時間は、何処にも告げられていない。 如何にあがいても、孤絶して生きることは出来ない。否応なく侵食されて生きる。関係を断とうと願っても、断たれることはない。だからこそ、孤絶したも…